【早稲田と慶応を比較】何がどう違う?就職先は、学費は、キャンパスライフは?
2023年11月16日日本トップレベルの私立大学として最も有名なのは早稲田大学と慶應義塾大学です。何かと比べられることの多いこの2つの大学ですが、その違いについて詳しいという方はそこまで多くはないのでしょうか?そこで今回は早稲田と慶應について、校風や学部、就職先などの違いについて紹介していきたいと思います。
目次
慶応と早稲田の校風の違い
まずはそれぞれの校風の違いについて紹介していきたいと思います。最初に早稲田大学ですが、一言でいうと「多様性」が尊重されている校風です。オシャレな人がいる一方で、ジャージにヨレヨレのシャツで大学に来るような人もいたり、勉強に打ち込む人や、スポーツに打ち込む人もいたり、学生それぞれの個性が非常に強く、多様性が尊重される校風です。
また、早稲田大学は留学生の受け入れ数が日本トップクラスに多いため、人種も多様性に富んでいます。学生数が多く、キャンパス数が4つ、しかもそのうちの3つが新宿区内に集中しているため、多種多様な学生と関わることができます。
私立トップクラスの大学ということでお金持ちの子供しかいないというイメージを持つ方もいるかもしれませんが、一般家庭出身の学生も多く、特に居心地の悪さは感じないという声をよく耳にします。
一方、慶應大学ですが、仲間意識の強さが特徴の校風といえます。その最たる例が「三田会」です。三田会とは慶應大学OBによる同窓会組織で、日本の大学の中でも特に結びつきが強い同窓会組織です。慶応の三田会は卒業年度だけでなく勤務先や職種ごとにあり、就職活動をするときだけでなく、就職してからも三田会のつながりを重視して社会人生活を送る卒業生が多くいます。
仲間意識の強さ以外には、スマートでおしゃれな雰囲気の学生が多く在籍している校風といわれています。三田キャンパスは港区のビジネス街にあり、おしゃれな街に近いため、入学後におしゃれになる学生も多いそうです。
また、慶応の学生は経済的に余裕がある家庭出身者が多いといわれています。実際、大学から入学した学生もその傾向にあるようです。そして、幼稚舎、初等部、中学、高校から内部進学してきた学生はその傾向が強いといわれています。とはいえ一般家庭出身の学生も数多く通っている大学です。
慶応と早稲田の学部の違い
慶應大学と早稲田大学の学部の学部の違いで、一番大きな違いは、やはり、医学部があるかどうかです。早稲田大学も医学部新設に向けて動いているというニュースを時折、耳にしますが、現時点で医学部を有するのは慶應大学のみです。
そしてこの慶應大学医学部ですが、私大医学部の中でもトップクラスの入試難易度と学閥の強さを誇ります。私大医学部の入試は基本的な問題を落とさない、効率よく多い問題数をこなす必要がありますが、慶応は別です。難問も多く出題され、特殊な入試対策が必要です。入試難易度が高い慶応の医学部ですが、学閥も非常に強く、慶應大学は関東エリアで東大学閥に次ぐといわれています。
学閥が強いとはどういうこと?
「学閥が強いとはどういうこと?」と疑問を持つ受験生が多くいます。医学部に入学した学生や現役の医師に確認したところ、学閥の強さは「関連病院」の多さにあります。関連病院とは大学附属病院と特に関係の深い病院のことで、関連病院の主要なポストには関係の深い医学部の出身者が多く就いている傾向にあります。すなわち、関連病院が多いということはそれだけ、将来、勤務医として出世しやすいということになります。学閥の強さは研究医になる場合にも影響するため、慶應大学は臨床医、研究医のどちらを目指す場合にも有利な大学です。
慶応と早稲田の就職先の違い
次に慶応と早稲田の就職先の違いを紹介していきます。早稲田大学の2022年度の就職先1位は「NTTデータ」101名、2位「楽天グループ」93名、3位「富士通」となっています。一方の慶應大学の就職先1位は「慶應義塾」90名、2位は「アクセンチュア」86名、3位は「楽天グループ」79名です。どちらも上位に一流企業、有名企業がランクインしています。近年は、コンサルティング業界が就職したい業界として学生に人気があるため、アクセンチュア、NTTデータなどがランクインされていると考えられます。
上のデータを見てすぐわかると思いますが、大きな違いは慶応の就職先1位が慶応義塾になっていることです。なぜ就職先1位に慶応義塾がランクインしているか理解できない方が多いと思います。これは慶応には医学部と看護学部があるため、医学部出身者や看護学部出身者が附属病院に就職し、研修をするためです。そのため、就職先として慶應義塾がトップにランクインしています。
慶應大学には「三田会」というOBによる同窓会組織があることにふれましたが、早稲田大学にも「稲門会」という同窓会組織があり、就職活動や転職活動で活用している学生もいると聞きます。三田会は活動が活発なため、あまりにも有名ですが、決して、稲門会の結びつきが弱いわけではありません。
学費
次に早慶の学費について比較していきたいと思います。学部ごとに細かい違いがあるため、早慶のどちらにもあり、かつ文系で人気の高い商学部の学費を比較したいと思います。早稲田大学では4年間の学費の合計が475万7200円となるのに対し、慶應大学の商学部では491万9100円となりました。慶應の方がわずかに高くなっています。
次に理系学部について、早稲田大学の先進理工学部化学・生命科学科では4年間の学費の合計は723万6000円となる一方、慶應大学理工学部では701万3100円となりました。
理系、文系ともに慶應大学の方が早稲田大学に比べてわずかに学費が高いという結果になりました。とはいえそこまで大きな差はないため、学費の面では両者にほとんど違いはないと言ってよいかと思います。なお、慶應大学医学部の学費ですが、6年間合計で2223万9600円となっています。大学の学費としてはかなり高く感じますが、私立医学部の中では比較的安い方となっています。
早稲田と慶応のキャンパスライフ
校風の違いと一部内容がかぶりますが、早慶のキャンパスライフの違いについて紹介したいきたいと思います。
早稲田大学の場合、早稲田キャンパス(政経・法・商・教育・社学・国際教養学部)、戸山キャンパス(文・文化構想学部)、西早稲田キャンパス(基幹理工・創造理工・先進理工)、所沢キャンパス(人間科学・スポーツ科学)の4つのキャンパスがあります。早稲田キャンパスと戸山キャンパスは都内でも最大級の学生街にあり、非常に活気にあふれています。
西早稲田キャンパスについてはコンクリートむき出しの建物が多くあり、勉学や研究に没頭するための場といった雰囲気になっています。そして早稲田大学のキャンパスの中で唯一東京以外に位置する所沢キャンパスですが、在学生曰く、かなりの田舎ということです。そのため、人間科学部やスポーツ科学部の学生は、入学後は思い描いていた早稲田のイメージとのギャップにショックを受ける学生もいるそうです。
慶應大学の場合、日吉キャンパス(法・経済・商・理工1~2年次、医・文・薬の1年次)、三田キャンパス(法・経済・商の3~4年次、文の2~4年次)、矢上キャンパス(理工の3~4年次)、信濃町キャンパス(医の2~6年次、看護医療の3年次)、芝共立キャンパス(薬1年次の週1回ほどと2~6年次)、そして湘南藤沢キャンパス(総合政策・環境情報の全学年、看護医療の1~2&4年次)の6つのキャンパスがあります。
大学入学直後に通う日吉キャンパスは横浜にあります。日吉駅のすぐ近くにあり、学生街のにぎやかさと緑豊かな落ち着いた雰囲気が両立している大変良い環境です。図書館やコーヒーショップ、薬局などがそろっており利便性も高いです。
文系学部の3年生以降に通う三田キャンパスは慶應大学の代名詞ともいえるようなキャンパスです。オフィス街の中にあり、落ち着いた雰囲気が特徴です。歴史も古く、図書館は重要文化財に指定されています。
医学部の高学年で通うことになる信濃町キャンパスは附属病院が併設されています。交通の便は非常に良いのですが学生用のスペースはあまりなく、自習する場所に困るとのことです。
有名な湘南藤沢キャンパス(SFC)は神奈川県藤沢市にあります。AO入試の学生が多く、分野横断的な学びができるなど特徴ある学部ですが、キャンパスはかなり田舎にあります。キャンパス内に池があるなど自然豊かな一方、アルバイトや他大学の学生との活発な交流を希望する学生にはやや不向きなキャンパスです。
入試科目
最後に入試科目の違いについてです。早稲田大学の場合、学部ごとに配点など細かい違いはありますが、文系科目は英、国語、地歴公民の3科目、理系の場合は英、数、理の3科目が一般的です。特殊な例として創造理工学部では鉛筆デッサンなどの実技試験が、スポーツ科学部では小論文や競技歴の調査書が採点対象となっていることもあります。
慶應大学の場合も学部ごとに違いはありますが、文系学部は英語、地歴公民の2科目+小論文というパターンが主流です。文系学部であって、入試科目に国語がないのが特徴です。ただし、商学部のみ小論文がなく、学科試験が3科目実施されます。
慶応は小論文の配点が高い、法学部の英語の出題パターンが珍しいなど、特徴があるため、早めの対策が必要です。医学部の場合、英数理の3科目に加えて小論文、面接が行われます。小論文、面接は点数化はされないため、落ち着いた受け答えができることがポイントです。
まとめ
今回は早稲田大学と慶應義塾大学について、キャンパスライフや学部などをピックアップして違いを紹介していきました。よく同列に語られることの多い早慶ですが、同じ学部でも校風やキャンパスの校風が異なるため、大学生活の充実度も大きく変わってくると思います。オープンキャンパスなども活用し、ぜひ、自分に合った大学を選んでみてください。
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この記事の監修
名古屋講師会 教務部長浅木真理
大学受験指導歴19年、名古屋講師会創業時より医学部受験、難関大学受験のカリキュラム作成を担当。
数多くの生徒を難関大、医学部に合格させてきた講師会で、学習支援をしてきた受験生とその保護者は1000人超。