国立大学の入試ってどういうもの?仕組みや特徴を解説
2023年06月06日目次
3つの選抜方法がある国公立大学入試
①メインは80%近くが入学する一般選抜
②15%ほどが近年増えている学校推薦型選抜(旧推薦入試)で入学
③ごく少数が総合型選抜(旧AO入試)で入学
上のグラフであらわされているように、選抜方法は3つありますが、殆どの受験生は一般選抜で入学します。近年は学校推薦型選抜や総合型選抜を増やそうという大学側の計画があるものの、一般選抜は8割をしめます。また、15%ほどをしめる学校推薦型選抜は高3の7月~10月に推薦がもらえるかどうかが決まるため、推薦がもらえることが決定するまでは、一般選抜のための対策をする受験生が殆どです。そのため、今回は一般選抜の仕組みについて解説します。
一般選抜の合否判定基準
一般選抜は共通テストと二次試験の得点で合否が判定されます。また、二次試験の出願は共通テストの結果から判断します。大学入試センターから、共通テストの点数の通知はきません。自己採点の結果を参考に、二次試験の出願先をきめます。そのため、共通テストを受験するときは自己採点できるようにチェックをしておきます。
調査書、小論文や本人記載の資料を総合的に評価するという表記が募集要項に記載されていますが、実際は、ほぼ、共通テストと二次試験の結果で合否がきまります。ただし、志願者本人が記載する書類の提出を求められることがあります。活動報告書や志望理由書などです。記入には意外に時間がかかります。入試直前に書類の記入で受験勉強の妨げにならないよう、事前に作成の準備をしておきましょう。
※医学部については、卒業後の職業を考慮し、面接が合否の判断材料になります。ただし、相当な理由がない限りは減点対象とはならない。また、同様に、二次試験の点数を面接で挽回できるということもありません。
国立大学入試の例年のスケジュール
※最新のスケジュールは大学入試センターのホームページでご確認ください。
第一段階選抜とは
国公立大学の合否は共通テストと二次試験の2つの結果で決まると説明しましたが、上のスケジュールにのっている第一段階選抜とは、二次試験の志望者が多かった場合、共通テストの上位から規定の人数や一定の得点をった受験生を「一次合格者」として二次試験に進ませる選抜のことでです。選抜が2段階に分かれるため、この仕組みを、二段階選抜といわれます。第一段階選抜に落ちると、不合格通知書が発送されます。
全ての大学で第一段階選抜が実施されるわけではない
第一段階選抜の実施の有無は各愛額の判断にゆだねられています。殆どの大学では、志願者が募集人員よりも大きく上回った場合、実施されます。そのため、第一段階選抜は志願者が殺到する難関国公立や医学部で実施されることが多くあります。いくら二次試験で高得点をとれる力があっても、共通テストの第一段階選抜で不合格となっては受験すらできません。そのため、共通テストでしっかりと得点することは非常に大切です。
二次試験の仕組み、分離・分割方式を理解しよう!
二次試験は、前期日程と後期日程に募集人員を振り分けて選抜する制度をとっています。「分離・分割方式」といわれる制度です。受験生は前期日程と後期日程に各、1校ずつ出願できます。前期と後期で違う大学の違う学部を受験することも、同大学・同学部を受験することも可能です。
前期の入学手続きをとると後期日程の合格はなくなる
気を付けることは、前期の入学手続きをとると後期日程の合格の権利を失うことです。後期日程の合格発表前に前期日程の入学手続きの期日は設定されていて、前期日程の合格手続きをすると、後期日程の合格の権利を失います。そのため、一般的には前期日程で第一志望の大学を受験します。また、前期日程と後期日程の募集人員の割合は8:2です。そのため、分離分割方式は2回(または3回)受験できるとはいえ、前期日程がメインの制度設計となっています。
中期日程とは
ごく少数ですが、一部の大学では中期日程を実施しています。講師会名古屋本山校近辺では名古屋市立大学の薬学部が実施しています。中期日程を受験すると最大3校受験可能です。そのため、受験者が殺到し、受験倍率は高くなる傾向があります。
次の記事では二次試験の入試科目や傾向と対策法、国公立入試のために必要となる共通テストの科目について解説します。
共通テストと二次試験の入試科目
2021年度からセンター試験が廃止され、かわりに始まったのが共通テストです。センター試験同様、殆どの国公立大学で5教科以上の受験が必要とされています。また、二次試験では必要な入試科目が変更になることは、若干例ありますが、2~3科目が必要という点では今までと同様です。(名市大の医学部は近年、変更となりました。)文系学部であれば国語、地歴・公民、英語など、理系学部であれば数学、理科、英語などが二次試験の科目です。入学後に必要となる学力分野の試験の科目が課されるパターンが一般的です。後期日程では、様々な指標で入学者を選抜するという考えから、前期日程と異なり、小論文や面接、総合問題などを課す大学が多いのも特徴です。
共通テストと二次試験の配点比率
一般選抜の合否は、共通テストと二次試験の結果で合否がきまります。ただし、配点は1:1ではなく、大学により異なります。一般的に、難関大ほど二次試験の比率が高く設定されています。共通テストと二次試験のどちらを重視するかで、受験戦略がかわります。事前に調べておきましょう。また、共通テストの自己採点の結果によっては、有利な受験のために志望校を直前に変更する受験生もいます。
各大学の配点比率の例
- 東京大学は共通テストの900点満点を110点に換算し、個別試験の440点と合計して合否を決定します。圧倒的に二次試験の得点が重要ですが、共通テストは、得点が低いと第一段階選抜で足切りになってしまう可能性もあります。共通テストも手をぬくことはできません。
- 札幌医科大学医学部は共通テスト、二次試験の配点が同点です。そのため、共通テストで失敗すると二次試験での挽回はかなりむずかしくなります。
- 岐阜大学教育学部は共通テストの配点が高いため、二次試験対策がすすんでいなくても共通テストで高得点をとることができれば、合格できる可能性があります。
このように、大学により共通テストと二次試験の配点比率がことなるため、共通テストの自己採点の結果により、志願先を変更する受験生もいます。
医学部に逆転合格する戦略!
講師会名古屋本山校には、医学部を目指す受験生(浪人生も多くいます)からの問い合わせが多いため、国公立の医学部に逆転合格するための戦略の一つをここで紹介します。国公立は私立と異なり、特色があります。大きな特色としては2つあります。まず、国公立大学の医学部は二次試験が難しい医学部と簡単な医学部で分かれます。また、上で解説したように共通テストの配点が高い医学部と低い医学部で別れます。二次試験に自信がない受験生は、共通テストで点数をとって逃げ切るのことで逆転合格が可能です。二次試験対応の模試で思ったような点数がとれなくても、共通テストのように標準的な問題を早く確実に解ける力があるのであれば、合格できます。秋田大学や徳島大学があてはまります。二次試験の配点はおよそ共通テストの半分になっています。
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名古屋講師会は、愛知県名古屋市の本山で個別指導塾を運営しています。
難関国公立2次対策、医学部受験対策、難関私大対策の指導をしています。
合格実績から、偏差値が高い生徒のみ入会可能と思われがちですが、
勉強が苦手な生徒の成績を飛躍的に上げたいという思いから設立された塾であり、
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この記事の監修
名古屋講師会 教務部長浅木真理
大学受験指導歴19年、名古屋講師会創業時より医学部受験、難関大学受験のカリキュラム作成を担当。
数多くの生徒を難関大、医学部に合格させてきた講師会で、学習支援をしてきた受験生とその保護者は1000人超。