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愛知医科大学の傾向と対策

2023年12月14日

愛知医科大学について

愛知医科大学は愛知県にある私立医科大学です。先端医学の研究に力を入れているほか、低学年から臨床現場に出る実習があるなど、臨床、研究のどちらにも力を入れている大学です。今回は講師会名古屋本山校から進学する生徒も多いため、愛知医科大学の入試問題の傾向と対策について紹介していきます。

愛知医科大学の入試形式

愛知医科大学の入試形式は一般選抜、学校推薦型選抜(公募制)、国際バカロレア選抜、共通テスト利用選抜(前期、後期)、地域枠(学校推薦型、共通テスト利用)があります。定員は以下の表のとおりです。※定員は年度により異なります。必ず、大学募集要項を自分で確認しましょう。

区分学校推薦型国際バカロレア一般選抜共テ利用地域枠合計
人数20若干名65約2010115

入試形式は前述のように近年は様々な形式がありますが、この記事では、講師会名古屋本山校からの進学者が最も多く利用した一般選抜の傾向と対策について紹介していきます。

愛知医科大学一般選抜の入試科目

一般選抜の科目は外国語、理科、数学、小論文、面接となっており、配点は以下のようになります。

科目外国語理科(2科目)数学小論文面接合計
配点1502001505段階評価5段階評価500

 合計500点で、数学と外国語の配点がやや高くなっています。合格者最低点についても公開されており、2022年度は281点(56.2%)、2021年度は262点(52.4%)となっていました。そのほかの年度も例年55%~60%で推移しています。そのため試験では60%を取ることを目標としましょう。なお、学生募集要項には著しく得点、評価が低い科目がある場合には不合格になる場合があることが書かれていました。具体的な割合については不明ですが、ある程度満遍なく得点するようにしましょう。それでは次に科目ごとに傾向と対策について紹介していきたいと思います。

一般選抜の入試科目

一般選抜の科目は外国語、理科、数学、小論文、面接となっており、配点は以下のようになります。

科目外国語理科(2科目)数学小論文面接合計
配点1502001505段階評価5段階評価500

 合計500点で、数学と外国語の配点がやや重くなっています。合格者最低点についても公開されており、2023年度は251(50.2%)点、2022年度は281点(56.2%)、2021年度は262点(52.4%)となっていました。そのほかの年度はだいたい、55%~60%で推移しています。そのため、合格を目指す場合、当日の試験で60%取れることを目標としましょう。なお、学生募集要項には著しく得点、評価が低い科目がある場合には不合格になる場合があることが書かれています。具体的な割合については明確に表記されていませんが、ある程度満遍なく得点することが必要と考えられます。それでは次に科目ごとに傾向と対策について紹介していきたいと思います。

英語

まずは英語です。制限時間は80分で、全問マーク式となっています。大問7問から構成されており、構成もほぼ毎年同じです。2023年度の問題構成は次のようになっています。す。

大問分野難易度(5段階)
1文法、語彙(空欄補充)3
2語彙(単語の一部の空欄補充)2
3語句整序(和文が与えられる)3
4適語補充(与えられたフレーズを長文に補充)2
5語句補充、内容一致(長文約450語)3
6内容一致、語句整序(長文約700語)
7内容一致、語句整序、意味一致(長文約750語)3

 制限時間に対して問題量が非常に多く、テンポよく問題を解くことが求められます。特に大問1~4までの文法問題は出題形式が独特であったり、選択肢の数が多かったりするため過去問演習量が不十分な場合かなり時間がかかってしまうことが予想されます。文法問題は時間をかけても解けないものは解けないことが多いため、分からない場合には思い切って飛ばすという選択が取れるといいですね。大問5以降の長文は一つ一つの文量はそこまで多くはないものの、3題出題されているためこちらも時間配分に注意です。内容も医学には関係のない分野がテーマとなることも多いので様々な大学の長文で演習することがおすすめです。

難易度としては全体的にそこまで高くはないため、標準レベルの問題集をヌケ、モレなく網羅し、その上で時間を意識した過去問演習をすることをおすすめします。

※おすすめの長文問題集

私立医大の英語、やっておきたい英語長文500、英語長文ハイパートレーニングレベル3

数学

 次に数学です。数学の制限時間は80分で、答えのみ記述する小問集合と、記述式の大問が2~3問出題されています。2023年度は大問3題構成となっていましたが、2021年度、2020年度は大問4問構成となっていました。

大問分野難易度(5段階)
1小問集合(微分、場合の数、数列)2
2図形と方程式、微分3
3積分、空間ベクトル4

 2023年度の大問構成は上のようになっていました。この年度は微積分野が多く出題されていましたが、愛知医科大学は全分野から出題される傾向があります。満遍なく対策することが求められています。

小問集合は典型問題が多く出題されており、比較的解きやすいものが多いのですが、記述式の大問が年度によって難易度の差が大きいとされています。また、分野を超えた融合問題も多く出題されています。難関国公立の過去問を解くなどして難易度の高い問題の演習量を積むことをおすすめします。部分点が取りにくい出題形式となっているので、ケアレスミスや時間切れでかなり得点に差ががついてしまうでしょう。

物理

 理科は2科目の試験が通しで行われ、制限時間は100分です。大問3題から構成されており、全問記述式となっています。

大問分野難易度(5段階)
1力学(衝突、曲線運動の速度と加速度)2
2波動(波の式、ヤングの実験)3
3電磁気(コンデンサー、気体の状態変化)3

 こちらが2023年度の大問構成と分野です。全体的に丁寧な誘導がついており、難易度はそこまで高くはないのですが、時折思考力が問われるような高度な内容の出題がみられます。特徴としては問題の量が非常に多いです。大問ごとに8問ほどの小問が設置されており、単純計算で1問あたりにかけられる時間は2分前後となってしまいます。もう一つの科目の得意さにもよると思いますが、かなり時間的には厳しいと思います。

化学

 化学も記述式となっています。2023年度、2022年度は2題から構成されていましたが、過去には大問3題の出題となっていたこともあります。

大問分野難易度(5段階)
1理論化学、無機化学(アルミニウム、結晶格子)3
2有機化学(脂肪族化合物)3

 理論、無機、有機の全分野からバランスよく出題されています。知識問題、計算問題も満遍なく出題されており、難易度もそこまで高くはないです。特徴としては物理と同様出題量が非常に多いです。大問1では22個の穴埋めに加えて11個の小問が出題されており、大問2では構造決定が3問出題されています。知識問題も出題されているので解ききるのは不可能ではないのですが、計算問題は問題を見た瞬間に方針が立てられるレベルでないと難しいでしょう。演習の経験の有無がモノを言う出題形式ですので標準レベルの問題集で演習量を積むことがおすすめです。物理・化学選択の受験生が数としてはおそらく一番多いと思いますので、理科はかなり時間的に厳しいと思います。過去問演習の際には2科目通して演習するようにしましょう。

生物

 生物も他の理科と同じく記述式となっています。大問3問から構成されています。

大問分野難易度(5段階)
1植生、生態系4
2遺伝(遺伝子とタンパク質)3
3呼吸3

 私立医学部の入試にはよくあることですが、遺伝や体内環境といったような医学にも通じる分野の出題が非常に多いです。しかし、2023年度には表のように生体や植生といったような私立医学部ではなかなか見ない分野も出題されていました。生態系分野は毎年出題されているというわけではないのですが、万一出題された場合、演習の経験の有無でかなり差がつく分野かと思われます。

 難易度としては標準~やや発展といったレベルなのですが、こちらも他の理科の科目と同様に出題量が非常に多いです。問題文が長い上に各大問で論述問題が出題されており、50分で解ききるのは至難の業でしょう。生物選択の場合、もう一つは化学を選択している人が多いかと思います。人によっては全問解ききることには固執せず、解ける問題のみを着実に得点するという方針にした方がよいかと思います。

面接

 面接と小論文は1次試験の学力試験を通過した受験生にのみ行われます。1次試験の通過発表から試験日まで1週間ほどと時間的猶予があまりないので、1次試験対策をしつつ面接、小論文対策を行いましょう。形式は個人面接で、受験生1人に対して試験官は3人です。時間は20分ほどです。聞かれる内容としては医師を志望した理由や愛知医科大学を志望した理由といったような一般的な質問に加えて、絵を見て感想を話すといったように特殊な質問もあります。

 面接は得点化されず、5段階評価となるのでよほど問題となるような行動をしなければ他の受験生と差は付かないかと思います。学校や予備校の講師など、様々な人と面接練習を行うことで本番でもあがりにくくなると思います。

小論文

 小論文も面接と同様に2次試験で実施されます。2次試験は2日間にかけて実施され、1日目と2日目で出題の内容が異なっています。600文字の小論文を制限時間60分で完成されるという形式が例年続いています。2023年度の1日目の出題内容としては戸田智弘『ものの見方が変わる座右の寓話』から引用された寓話を読み、どのような教訓を伝えようとしているかを論述する問題が出題され、2日目には良寛作とされる俳句を読み、その俳句に想定される好意的意見と批判的意見を記述し、その上で自分の意見を論述させる問題が出題されていました。小論文も5段階評価で得点化されないので、他の受験生と差をつける、つけられることは意識しなくてもよいかと思います。

まとめ

今回は愛知医科大学の入試問題について、傾向と対策について紹介していきました。愛知医科大学の入試は全体的に出題量が多く、問題のレベルも一部発展的な内容が出題されるなど慣れが必要なものとなっています。合格ラインの6割を意識しつつ、解ける問題を着実に得点することが非常に重要です。

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この記事の監修

 名古屋講師会_浅木真里

名古屋講師会 教務部長浅木真理

大学受験指導歴19年、名古屋講師会創業時より医学部受験、難関大学受験のカリキュラム作成を担当。
数多くの生徒を難関大、医学部に合格させてきた講師会で、学習支援をしてきた受験生とその保護者は1000人超。

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