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【2023年最新】総合選抜型って何?一般選抜との違いを徹底解説!

2023年11月02日

大学入試制度改革ー総合選抜型について

2021年度に大学入試制度が大きく変わりました。センター試験が廃止されて共通テストが実施されるようになり、それに伴い、入試の選抜方法にも変更が加えられました。具体的には「一般選抜」、「学校推薦型選抜」、「総合型選抜」の3種類の選抜方法が中心となっています。今回はこの選抜方法の中でも総合型選抜について、その特徴や一般選抜との違いについて紹介していきたいと思います。

総合型選抜の概要

 それでは最初に、総合型選抜の概要について紹介していきたいと思います。総合型選抜とは大学が掲げるアドミッションポリシー(大学がどんな学生を求めているかまとめたもの)に合った学生を選抜する方式です。例えば神戸大学医学部の場合、「生命科学・医学に強い興味を持ち,探究心と学習意欲が旺盛な学生」、「協調性があり,問題解決においては独創性と指導力を発揮できる学生」(一部抜粋)といったことがアドミッションポリシーとして掲げられており、これらの理念に沿った学生が選抜されます。総合型選抜を受験する際にはアドミッションポリシーの理解は必須となるため、受験する大学のアドミッションポリシーは必ず目を通しておきましょう。

まとめると、総合型選抜というのは学力だけでなく、高校での活動や大学における学習への意欲など大学それぞれが求める学生を選抜する方式です。以前の入試制度で言うとAO入試に近い選抜方法ですね。

一般選抜との違い

入試実施時期

一般選抜との違いとして、第一に日程の違いが挙げられます。国立大学の一般選抜の場合、例年1月に共通テストが行われます。そして、2月に二次試験が実施されます。しかし総合型選抜の場合、多くの大学で9月~11月に試験が実施され、11月~12月に合格発表が行われています。そのため、一般選抜と併願することも可能で、うまく総合選抜型を活用することができれば合格するチャンスを増やすことができます。

出願条件・・・浪人年数や出身地など

 出願するにあたり、条件が課されている大学があることも一般選抜との違いです。高校の卒業年次(いわゆる浪人の年数)や課外活動での実績、出身地、評定平均といったようなことが条件として付けられていることが多くあります。評定平均や浪人年数は大学によってかなり違いがあるため、要チェックです。

試験科目

他の大きな違いとしては試験科目が挙げられます。一般選抜の合否判定材料は学力試験がメインです。そこに、面接や小論文、実技試験が加わることがあります。しかし、それも一部の学部です。それに対して総合型選抜の場合、大学によって試験の内容に大きく違いがあります。一次試験で高校の調査書、志望動機書などの書類審査、二次試験で面接、グループディスカッション、プレゼンテーションの実施といったように、学力試験以外の多彩な試験を課す大学や複数回の面談・面接を行い、学習意欲や人物像の評価を中心に行う大学、模擬授業やセミナーを受講し、それに対するレポートを提出させるような大学もあり、試験科目は大学により千差万別です。また、共通テストが試験科目に含まれている場合もあります。総合型選抜は9~11月に実施されるため、早めに志望校の決定を行い、共通テストの対策と二次試験対策を並行して行うことが重要です。

国立大学の総合型選抜(神戸大学医学部医学科)

それでは次に、国公立大学と私立大学からそれぞれ1校ずつをピックアップし、実際にどのような総合型選抜があるかを紹介していきたいと思います。

 はじめに国立大学の総合型選抜について紹介したいと思います。今回は神戸大学医学部の総合型選抜を例に挙げたいと思います。

神戸大学医学部総合型選抜の出願資格

 出願資格は令和5年度に行われた総合型選抜では令和4年4月から令和5年3月までに卒業見込みの者とされていました。すなわち、現役生のみが受験可能となっていました。現在令和6年度の募集要項がまだ出ていないので不明ですが、例年総合型選抜の対象は現役生のみとなっています。おそらく今年も、同じであると考えてよいかと思います。

 なお、そのほかの出願資格としては「合格後に入学を確約できること」ということも書かれていました。他の大学との併願はできないので神戸大学医学部が第一志望の場合のみ受験しましょう。

神戸大学医学部で求められる学生像

神戸大学医学部では総合型選抜で求める学生像として、

  • 生命科学・医学に強い興味を持ち、探求心と学習意欲が旺盛な学生〔求める要素:関心・意欲〕
  • しっかりとした基礎学力を身に着けている学生〔求める要素:知識・技能〕
  • 協調性があり、問題解決において独創性と指導性を発揮できる学生〔求める要素:思考力・判断力・表現力, 主体性・協働性〕
  • 国際的に活躍する意欲を持った学生〔求める要素:主体性・協働性,関心・意欲〕

(神戸大学HP 総合型選抜 医学部医学科 学生募集要項より引用)

このような学生像が求められています。そのため、面接では学力だけでなく思考力、協働性を身に着けていること、語学(英語)に対する知識や理解について問われると予想されます。

試験科目

試験科目は面接・後述試験と共通テストの2科目が実施されます。配点は以下の表のようになります。

試験の区分国語地理歴史・公民数学理科外国語面接・口述試験合計
共通テスト15050200200200 800
面接・口述試験     100100
合計15050200200200100900

共通テスト800点+面接100点の合計900点満点となっています。国立医学部志望の受験生であれば共通テストは受験すると思うので、通常通り対策を行えばよいかと思います。合格者最低点については大学から公表されていないため不明です。ただし、一般選抜のボーダーが87%なのでそちらが大まかな目安になるかと思います。

過去の試験結果

年度202320222021
定員101010
受験者数909799
倍率9.09.79.9

上記が過去3年間における受験結果です。例年、倍率はかなり高く、9倍前後となっています。神戸大学医学部の総合型選抜では出願者数が募集人員の2倍を上回る場合には共通テストの成績による一次選抜(いわゆる足切り)が行われます。過去の倍率から見てほぼ確実に足切りは実施されるでしょう。とはいえ、配点のほとんどが共通テストの点数なので共通テスト対策が重要なのには変わりがありません。

私立大学の総合型選抜(金沢医科大学医学部医学科)

 次に私立医学部の総合型選抜として、金沢医科大学医学部の総合型選抜について紹介したいと思います。

出願資格

金沢医科大学の場合、25歳以下であれば浪人生であっても出願することができます。総合型選抜にはAO入試、卒業生子女入試、研究医枠の3種類があるのですが、そのいずれも25歳以下であれば出願可能です。合格した際には入学することを確約できることが条件となっているため、国立医学部と併願して受験することはできないので注意しましょう。

金沢医科大学で求められる学生像

  • 医学を学ぶために必要な基礎学力と問題解決能力のある人
  • 知的好奇心が旺盛で、学ぶことへの集中力、忍耐力、持続性を備えている人
  • 周囲に対する協調性や思いやりの心をもち、あらゆる面で自己啓発を怠らない人
  • 建学の精神を理解したうえで本学の伝統を継承し将来発展させる人

金沢医科大学医学部入学者選抜情報より引用

求められる学生像での4つめの項目にある金沢医科大学の建学の精神とは「倫理に徹した人間性豊かな良医の教育」です。金沢医科大学は、高校生が入学までに身に着けておくべきこととして、「特別活動、課外活動を通じた主体性、思いやり・奉仕の心」を挙げているので神戸大学の総合型選抜と同様に学力だけでなく、人間として成熟していることが求められているようです。

試験科目

金沢医科大学の総合型選抜では一次試験として基礎学力テスト、二次試験として個人面接と自己推薦書の採点が行われます。配点は以下のようになっています。

科目基礎学力テスト面接志望理由書  (自己推薦書)合計
点数20014060400

 基礎学力テストは英語、数学、理科2科目に加えて一般問題が出題されるようです。一般問題とは文章理解能力や一般常識的な問題が出題されており、日本語の文章を読んで接続詞を選択する問題や課題文を読んで自分の意見を短くまとめるような問題が過去には出題されていたようです。

 面接では医学を学ぶ意欲のほか、思考力や判断力について判断されるほか、事前に提出した調査書、履歴書も参考にされるようです。高校での学習成績や課外活動状況などが評価の対象となります。

 そのほか、金沢医科大学の総合型選抜では志望理由書か自己推薦書が採点対象となっています。AO入試と卒業子女入試の場合は志望理由書、研究医枠の場合には自己推薦書の提出をし、採点されるようですね。

過去の受験結果

年度202320222021
定員142120
受験者数220221208
倍率15.710.510.4

 こちらは過去3年間のAO入試の結果です。毎年倍率は10倍前後となっていました。一次試験の基礎学力テストで募集人数の4倍ほどが通過し、二次試験で正規合格者が決まるというのが例年の流れとなっています。

まとめ

 今回は総合型選抜について、その特徴や一般選抜との違い、そして国公立と私立の医学部の総合型選抜について例を挙げて紹介していきました。総合型選抜は各大学受験資格や試験科目に特徴があり、試験時期が早く、対策が特殊です。しかし、早めに対策を行うことで有利に受験をすることができます。早めに受験校を決定することが重要です。-

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この記事の監修

 名古屋講師会_浅木真里

名古屋講師会 教務部長浅木真理

大学受験指導歴19年、名古屋講師会創業時より医学部受験、難関大学受験のカリキュラム作成を担当。
数多くの生徒を難関大、医学部に合格させてきた講師会で、学習支援をしてきた受験生とその保護者は1000人超。

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