共通テスト後に実施される二次試験とはどういうもの?入試科目や仕組み、特徴を解説。
2023年06月07日目次
国立大の二次試験とその科目
国公立大の二次試験は共通テストの結果をふまえ、受験生が出願した国公立大学が個別に実施している試験です。問題は、教養教育機構、全学教育推進機構、共通教育機構といわれる、以前は教養部といわれた部署で教授が中心となって各学部の入試問題を作成しています。ほとんどが自作問題であり、各大学、オリジナルの問題です。入試科目は、多くの文系の学部では「国語」「地理歴史」「公民」「外国語」「数学」から2~3科目を、理系の学部では「数学」「理科」「外国語」から2~3科目を選択する必要があります。大学により、前期と後期で入試科目が異なることもあります。そのため、志望大学の二次試験の科目は必ず募集要項で確認をしましょう。
一般的な二次試験の試験科目
- 文系・・・「国語」「地理歴史」「公民」「外国語」「数学」から2~3科目
- 理系・・・「数学」「理科」「外国語」から2~3科目
二次試験の科目の例
東京大学文科の入試科目と配点
教科 | 科目 | 配点 | 試験時間 |
---|---|---|---|
国語 | 国語総合・国語表現・現代文B・古典B | 120点 | 150分 |
数学 | 数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学A・数学B(数列、ベクトル) | 80点 | 100分 |
地理歴史 | 日本史B・世界史B、地理Bのうち2科目 | 2科目120点 | 2科目150分 |
外国語 | 英語、ドイツ語、フランス語、中国語のうち1科目 | 120点 | 120分 |
一橋大学法学部の入試科目と配点
教科 | 科目 | 配点 | 試験時間 |
---|---|---|---|
国語 | 国語総合 | 110点 | 100分 |
数学 | 数Ⅰ・数Ⅱ・数A・数B ※数Bは数列、ベクトル | 180点 | 120分 |
外国語 | コミュ英ⅠⅡⅢ・英表ⅠⅡ※聞き取り、書き取り試験実施 | 280点 | 120分 |
地理歴史 | 世界史B・日本史B・地理Bのうち1科目 | 160点 | 120分 |
三重大学人文学部の入試科目と配点
教科 | 科目 | 配点 | 試験時間 |
---|---|---|---|
国語または数学 | 国語総合 数Ⅰ・A・Ⅱ・B | 300点 | 100分 120分 |
外国語(必須) | コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ 英語表現 | 300点 | 80分 |
- 偏差値が高い大学ほど二次試験の入試科目が増える傾向にある。一般的には前述のとおり文系・理系ともに2~3科目だが、東大や一橋など偏差値が高い大学は二次試験の試験科目が多い。
- 英語の配点が最も高いケースが多く、重要科目であり、高得点を狙えると有利。
- 理系学部においても、英語の配点は数学・物化と同じ配点のことがおおいため、やはり英語に力をいれるべき。
二次試験の特徴は記述式であること
記述式問題とはそもそもどういうもの?
記述式問題とは、設問に対して、文章を記述して解答する形式の問題のことをいいます。数学や国語だけでなく、英語や小論文でも出題される形式です。ほとんどの国公立大学の二次試験の問題は、この形式で出題がされます。最近は、少しずつ私立大学でも導入されていますが、主に英語で出題されることが多く、少し長めの英作文の解答を求められることが多いようです。
記述式問題が出される理由
受験生の言葉で解答を作成することで、表現力や思考力、判断力をみることができるため、伝統的に二次試験では長年、記述式問題が出題されてきました。
記述式で高得点をとるために
どの科目においても、志望校の傾向をつかんでおくことが必要です。最難関といわれる東大はあらゆる問題のパターンが出題され、対策が難しい大学です。一方で、東大と比較される京大は問題の傾向が明確にあり、対策が可能です。このように、志望校の論述問題の特徴と形式を最初に把握しましょう。
把握してから、例年要求される文字数での答案作成、部分点の積み重ね方のポイントを学びます。得点できるポイントがどこかを演習で知ることが大切です。二次試験は完答しなくとも、部分点の積み重ねで合格することができます。
回答作成のポイントとして、どの科目についても下の3つが重要です。
①問題で何が問われているか、何を答えると得点できるかをまず理解する
②自分の持っている知識の中から回答に落とし込める知識をいくつかあげ、その中で一番、答案を作成しやすいものが何かを選ぶ。
数学であれば、解法パターンがいくつかあるでしょう。英作文も必ず同じ構文を使わずに、答案を作成できるでしょう。思いついたものをいきなり書かず、答案を作成しやすいものが何かをまずは検討し、選びましょう。
③回答の構成をまずは作る
②で検討した回答に落とし込む知識を書きだし、回答作成の流れを大まかに決めます。箇条書きで書き出してその因果関係を矢印でつなぐなどしてもいいでしょう。試験本番だけでなく、勉強するときも常にこの練習をしてください。いきなり答案を作成していては、後で修正するときに時間がかかりすぎてしまいます。回答の構成を作ってから解き進めましょう。構成を事前に作成すると、答え合わせの時に自分の思考のどこが間違っていて、失点したのかがわかります。失点の原因を明らかにすることで、記述式の得点力を確実にあげることができます。だからこそ、できれば答案は添削をしてもらいましょう。添削をしてもらえることで、ぐっと力がつきます。
あまり地理の記述式問題の勉強法の解説がないようなので、ここに掲載しておきます。他の科目については他の記事で紹介します。
地理の記述式問題で高得点を狙うためには
地理の記述式問題の出題パターン
パターン1 用語説明(内容)
パターン2 用語説明(性質)
パターン3 背景説明
パターン4 グラフ読み取り
パターン5 時事、国際関係問題
- 二次試験の地理では、パターン4のように、図や表が示され、それらを読み取る思考力を問われる問題が多く出題される傾向にあります。そのため、穴埋め問題が出題されることはまれですが、いきなり一問一答を丸暗記するまえに、流れを把握し、単語を覚えるために、穴埋め形式の問題集から取り組むことをおすすめしています。その後、一門一答などで暗記をどんどんしていきましょう。
- 記述式問題では主に出題パターンはうえの5つがあげられます。試験開始後、どんどん最初の問題から取り組む前に、まず、全体の構成を把握しましょう。その中から、取り組みやすく、得意分野の大問から解きはじめましょう。
- パターン1・2の用語説明は比較的解答も短く、用語集や一問一答を日頃から読み込んでおくことで対応ができます。
- しかし、パターン3の背景説明は限られた文字数の中で構成を考え、書き進める訓練が必要です。構成を考えずに書き始めると、修正に時間がかかり、他の問題をとけなかったということもありえます。
- こうした問題の取り組み方や構成の組み方は、積み重ねが重要です。共通テスト終了後は記述式の解答作成の練習をメインにし、二次試験で高得点をねらえるようにしましょう。
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この記事の監修
名古屋講師会 教務部長浅木真理
大学受験指導歴19年、名古屋講師会創業時より医学部受験、難関大学受験のカリキュラム作成を担当。
数多くの生徒を難関大、医学部に合格させてきた講師会で、学習支援をしてきた受験生とその保護者は1000人超。