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活躍する先輩医師へのインタビュー

2023年06月27日

目次

三重大学医学部出身 福田 徹 (ふくた とおる) 医師×政治家

三重大学医学部出身医師福田徹氏

福田徹医師プロフィール

私立滝高等学校出身、2007年三重大学医学部卒業、日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院(八事日赤) 初期臨床研修医を経て、同院救急科で医師として活躍。2022年10月に同院を退職し、2022年11月 国民民主党愛知県第16区総支部長を務める。

講師会名古屋本山校浅木より

2023年、6月、講師会名古屋本山校のインタビューに応じていただきました。医学部を目指す講師会名古屋本山校の生徒に向け、あたたかいメッセージもいただきました。ぜひ、保護者の方にもお読みいただきたいインタビューになっています。

医師を目指したきっかけを教えてください。

父の意向ではなく、自発的に医師を目指す

私は岐阜県可児市に生まれ育ち、父親は自宅の1階で歯科クリニックを開業していました。そのため、歯科医の父の意向で医師を目指したと思われがちですが、両親から医師を目指してほしいといわれたことは一度もありませんでした。

医療のすばらしさを目の当たりにした幼少期

自然豊かな岐阜県可児市

実家はのどかな場所にあり、当時は歯科医が少なく、本当にたくさんの患者さんが来ました。夜中にインターホンが鳴り、急患が来院して治療を受けていくことも頻繁にありました。クリニックの2階で寝ていた私には1階で診療している声が聞こえるのですが、夜中に激痛で来院した患者さんの痛みがとれ、「ありがとうございました!」と喜んで帰宅する声を頻繁に聞いていました。

また、可児市を歩いていると、「あなた福田歯科の息子さんでしょ!私、お父さんのこと好きなのよ。」と声をかけてもらうことが何度もありました。名古屋の八事日赤で出会った患者さんからも、同じことを言われることがあるくらいです。

人に喜んでもらえる仕事がしたいと思い医師を目指す

そのように患者さんが喜んでいる姿を見て、「医療は人の役に立てる仕事だ」と幼いころから感じていました。そして、「人にこんなに喜んでもらえるのであれば、医師になりたい。」と医師を志すようになりました。小学校2年生の文集には、既に医者になりたいと書いているので、おそらくもっと小さいころから、人に喜んでもらえる仕事をしたいと考えるようになっていたと思います。

専門領域として救急医療を選択した理由を教えてください。

医学生になりたての頃は総合診療医を目指す

「人に喜ばれる仕事をしたい」と思い医師を目指していた私は、どんな年齢の患者さんでも、どんな症状の患者さんでも診ることができる医師になりたいと考えていました。そのため、医学生時代は総合診療医を目指していました。三重大学医学部の「総合診療部」に自ら足を運び、先輩医師から指導を受けていました。

総合診療医を目指し、実務の勉強をした医学生時代

また、総合診療の医師は医療過疎地で必要とされることが多いため、夏休みには岡山県にある総合診療クリニックまで足を運び、実務の勉強をしていました。


学生時代は周りの学生よりもかなりまじめに勉強をしていたと思います。大学受験の時から医学部に合格することではなく、良き医師になることを目標にしていました。

ドラマの影響もあり、救急医療に惹かれ始める

総合診療の勉強をしているうちに、物事がゆっくり進む総合診療より、刻々と事態が変化する総合診療である救急医療に惹かれていきました。米国ドラマ「ER」の影響もあったと思います。大学を卒業後は、救急医療で有名な八事日赤で研修を受け、そのまま救急医となりました。

救急医のやりがいを教えてください

毎日、患者さんが喜んでいる姿、安心された姿を見ることができ、感謝いただけることが多いことです。救急外来を訪れる患者さんは、全員何かに困っている方です。交通事故で大けがをした人から少し熱が出ただけの人まで、困っている内容は大小様々ですが、必ず何かに困って救急外来を訪れます。困っていることをしっかり受け止めて解決できれば、必ず喜んでいただける仕事です。

医学部受験を振り返り、勝因を教えてください。

医学部受験の勝因は目的意識

医学部に合格した勝因は、「絶対に医師になりたい」という目的意識を持っていたことです。「偏差値の高い大学、学部に合格したい」という気持ちはありませんでした。実は私は数学が苦手です。受験レベルの数ⅢCに手をつけられるほどの実力がありませんでした。数学では本当に辛い思いをしました。

数ⅢC無しで受験できる医学部を探す

赤本
福田医師が読んだ赤本

「偏差値が高いから医学部を目指そう」という志望動機だったとしたら、医学部受験をあきらめていたかもしれません。しかし、私はどうしても医師になりたかったので、数学が苦手な自分でも、より確実に医学部に合格できる戦略を考えました。まず日本全国の医学部の赤本を読み、数ⅢCなしで受験できる医学部を探しました。その当時は、三重大学とその他いくつかの医学部の後期試験はセンター試験の点数が配点の多くを占めていました。

今はパスナビなどネットで簡単に入試科目を検索できます。

二次試験の数学の勉強時間をセンター対策にあてる

三重大学の後期試験は、センター試験・英語の和訳問題・面接でした。多くの医学部受験生が二次試験の数学対策にかなりの時間を使うと聞いていたので、二次試験の数学の勉強を止め、その代わりに他の科目の勉強時間を増やし、センター試験や英文和訳で高得点を狙うことを高校1年生の時点で決めました。英文和訳は対策をすれば確実に高得点を狙えるものです。今振り返っても、私が現役で医学部に合格できたのは、作戦勝ちだっと思います。受験を通じて、目的とそれを達成するための戦略を持つこと、それを自分の頭で考えることの大切さを知りました。

医学部を目指す後輩へのメッセージ

積極的に受験勉強をするために

私は大学受験の勉強自体が楽しいとは思いませんでした。「この勉強は医師に必要なのだろうか?」と疑問を感じることもたびたびありました。それでも、医師になりたいという強い目的意識があれば、勉強が嫌という思いよりも、勉強は目的を達成するために必要な手段だという思いが強くなります。楽しくない勉強はあっても、それを嫌だとは思いませんでした。

先輩医師の話や医療体験セミナーはモチベーションアップにつながる

医学部受験を始める前に、医師になりたいという強い意志が必要だと思います。ドラマや映画を見ること。医師になった先輩から話を聞くこと。医療体験セミナーに参加することもお勧めです。私はブラック・ジャック セミナーというセミナーのお手伝いをしたことがあります。自分の頭の中で、医師になったらこんなことをしたいと想像を巡らせることも大切だと思います。

医療体験セミナーの様子
キッズ手術体験セミナーの様子

中高生が参加できる医療セミナーは全国で開催されています。また、オンラインで先輩医療従事者が日々どのような思いで命と向き合い、どのような未来を見据えて働いているのかお話を聞けるセミナーもあります。

医師の仕事は勤務医と開業医の二択ではない

医学部を目指す学生のほとんどは、自分の未来は勤務医か開業医の二択だと考えています。ごく稀に研究者という方いるくらいです。でも、本当は、製薬企業、医療機器企業、コンサルタント、その他あらゆる業界の企業、新しい医療サービスを作る起業家、政治家など多くの道があります。

MBAを取得し、コンサルタントとしてオファーがくることも

私は、救急医として働く傍ら、経営大学院に通いMBAを取得しました。MBAを取得した後は、医学の知識と経営学の知識を活かし、病院経営に関わることができました。世界的に有名なコンサルティング会社からコンサルタントとしてのオファーもありました。医師は、診療だけでなく、様々な仕事で社会に貢献することができるのです。

医師としての経験を政治にいかす

私は今、政治の世界に転職しています。本当に必要な医療は何か、必要でない医療は何か、それを科学的に正しく見分け、国民に分かりやすく説明できるのは医師だと思います。日本が抱える大きな課題を解決するために、政治の世界でも医師の力が必要です。

これは医師として経験を積んでからでもよいと思いますが、医師の知識や技術を活かして、「社会にどのような貢献ができるのか?」を自分の頭で考えられるようになってほしいと思います。

医学部を目指す受験生の保護者の方へ

お子さんが医師になりたいと思うことが大切

私は両親から医師になってほしいと言われたことはありませんでした。ただ、医療は素晴らしい仕事だということを見せてもらいました。
お子さんに医師の道を志してほしいと思うのであれば、「勉強しなさい」と言うことより、「医師になるとどんなことができるのか、医師になるとどんな幸せなことがあるのか」など、お子さんが医師になりたいと思うようなお話をしたり、体験させることの方が効果的だと思います。
まずは「医師になりたい」と思うことが最初です。勉強は、医師になりたいから自分から一生懸命するものです。

お子さんがやる気になってからは見守っていればいい

本人がやる気になってからは、見守っていればいいと思います。成績がなかなか上がらないとやきもきしたり、偏差値の上がり下がりに保護者が一喜一憂していては、お子さんは安心して勉強できないでしょう。私自身父親で、自分ができているかどうかと聞かれると自信はありませんが、本人の意思を尊重し、そっと見守ることが親ができる最大限のサポートだと思います。

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名古屋講師会は、愛知県名古屋市の本山で個別指導塾を運営しています。
難関国公立2次対策、医学部受験対策、難関私大対策の指導をしています。
合格実績から、偏差値が高い生徒のみ入会可能と思われがちですが、
勉強が苦手な生徒の成績を飛躍的に上げたいという思いから設立された塾であり、
偏差値50以下の受験生の指導にも力をいれています。
対面授業はもちろん、オンライン授業も行っております。
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この記事の監修

 名古屋講師会_浅木真里

名古屋講師会 教務部長浅木真理

大学受験指導歴19年、名古屋講師会創業時より医学部受験、難関大学受験のカリキュラム作成を担当。
数多くの生徒を難関大、医学部に合格させてきた講師会で、学習支援をしてきた受験生とその保護者は1000人超。

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