第1章 この本についてー医学部受験を成功させる4つの秘訣【私大医学部19校最短合格マニュアル】
※年々、入試方式が変わります。その時代に合った内容に、日々、加筆、訂正しております。
第1章 この本について
目次
★本書を書いた理由
僕が総合監修をしている講師会名古屋本山校、ご存じの方もいるかもしれませんが、何年も前から、入会を希望する生徒全員を受け入れることができない状態が続いています。数年前には、空きが全く無く募集をしない年もありました。まず、在校生と卒業生の紹介による入会を優先的に受け入れ、それで定員の半数以上が埋まってしまいます。
講師会名古屋本山校はこぢんまりとした小規模でやっているというのもありますし、何より講師の質では妥協できないという理由が非常に大きいのですが、理由はどうあれ、システム化が追い付いていない現状は、監修者である僕自身の実力不足であり、非常に申し訳なく思っています。
現在は以前より改善されてきてはいますが、講師育成プログラムの見直し、クラス授業の拡充などの対策を数年がかりで講じているところであり、今後も僕の大きな課題であると考えています。
入会を希望する生徒の全員を受け入れたい。特に高三生、高卒生に関しては全員を受け入れたい。その思いは強く、ここ数年どうしたものかと考えていました。また、当会には遠方からの生徒も多く在籍しています。名古屋市外、三重、岐阜などの愛知県外から通う生徒、当会近くの提携している寮に入り、慣れない土地で頑張っている生徒もいます。大阪、京都、東京などから週末のみ通う生徒もいますし、長期休みのみ集中して通っている生徒も一部います。でも、遠方という理由から、どうしても通えない生徒もいるはずです。
当会で授業を受けられない生徒のサポートをできる限りしたいという思いから、この本を書くことにしました。HP上で情報を更新していくのも、当会に来なくても勉強ができるように。そんな思いからです。
★仕事にも受験にも役立つ4つの秘訣
仕事と受験、特に私大医学部受験には共通点があります。
それは、ライバルがひしめき合う真剣勝負だということです。
僕自身が起業を考えている方を対象に行っているコンサルティング、
予備校講師・塾講師(学生講師からプロ講師まで全てです)への指導の中で、
彼らに共通して話す大切なことが4つあります。
仕事だけでなく受験にも共通した、役に立つ考え方です。
それをこれから紹介します。
せっかくの機会なので、ただの受験本というのではなく、
将来仕事をする段階になった時、医師免許を取った後に。
今から五年後、十年後に、ほんの少しだけだけど役に立つ。
そんな本にしたかったからです。
というのも、
・アルバイト(どの業種でもですが、特に塾、予備校で働く人向けです)をする際に役に立つことを教えてほしい。
・卒業後の仕事の仕方を教えてほしい。
・いつか開業するために知っておくべきことがあれば教えてほしい。
こういった仕事力に関わることを教えてほしいと、当会卒業の医学部大学生からよく希望されてきたからです。
★4つの秘訣とは
今の時代は医師免許を取れば安泰という時代ではありません。
たとえ難関大学と呼ばれる医学部を卒業していても、です。
また、受験勉強を頑張ろう、ここでの頑張りは将来必ず仕事をする際にも役に立つ!
こういったありがちな考え方に、僕は少し疑問を感じています。
僕自身としては、役に立つところも有り、そうじゃないところもあるのではと考えています。
僕が考えている、受験を通して社会に出てから役に立つところというのは、
・投資家視点
・客観視
・本質的なことを見る
・修正力
この4つです。
なにこれ?分かるような分からないような・・
はい。簡単に説明します。
★秘訣1-投資家視点について
プロの投資家は、中長期的な観点からリターンを考えるということをしています。
短期的にではなく中長期的な観点から見るということが重要です。
受験勉強は、一週間後の小テストとは違います。
中長期的観点から、まずはしっかりと勉強方法を学び、受験日までに合格最低点を取る。このゴールまでの道筋をしっかりと見ていくようにしましょう。
★秘訣2-客観視について
自分自身のことを客観的に観るという事です。
ついつい現実を、自分自身を甘く見てしまいがちです。
客観的に観る、というのは「現実を、自分自身の置かれた状況を冷酷なまでに冷めた目で見る」ということです。
これは勇気のいることで難しいことですが、簡単に取り入れることのできるテクニックを一つ教えます。
それは「本当に?」という質問を自分自身にする、ということです。
受験勉強の際には、模試で判断するという事が良い例です。
★秘訣3-本質的なことを見るということについて
これは、ある事象について、多勢が考えるような表面的なことにとらわれず、本質を見ていくという事です。
ここでも、客観視のところで書いた「本当に?」というテクニックが使えます。
受験勉強では、自習についての捉え方、考え方が非常に重要です。
ちなみに、自習という言葉は、どの大学を受けようとも、入試で最も大切な最重要キーワードです。
自習に関しては後半で詳しく書いています。
本質的なところを掘り下げて見ようとする受験生は少ないものです。
だからここをしっかりとすることで他の受験生と大きく差がつきます。
★秘訣4-修正力について
間違いや、よりよい方法に気付いた場合には、すぐに修正することが大切です。
一見簡単そうですが、実は難しいことです。
人はなかなか行動を変えるという事が難しい生き物だからです。
だから、ここは修正するところだな!と力を入れて頑張る必要があります。
受験勉強では、時に受験に対する意識や勉強法を修正することが必要です。
以上の4つが将来役に立つ、受験でも大切なことです。
これだけだといまいちピンとこないかもしれませんが・・・。
後半で具体的に書いていきますね。
仕事にも受験にもとても大切です。
講師も医師も、どんな仕事でも、サービス業全般において、本質的に必要な仕事力は同じです。
仕事においても受験においても、本質的なところ、と言って差し支えないでしょう。
そして、これら4つは、社会人として働く際にかなり役に立ちます。
仕事の本を百冊読むよりもこの4つを覚えておく方が意味のあることなんじゃないかなと言えるぐらいです。
まあ、今はとりあえず受験勉強に集中しましょう。
仕事の際に役に立つかは、あまり期待せずに数年後の楽しみにしておいてください。
4つの秘訣―テツオ君の場合
高校三年生をそれなりに勉強して卒業式を終えたテツオ君。
高校のレベルは中の上の私立高校。
第一志望は、高校一年時から私立の東京医科大学。
浪人覚悟でそれなりに勉強をしてきました。
こんな設定でいきましょうか。
高校も卒業か。ここから一年頑張っていこうか。
波はあるけれど、英語も数学も理科も偏差値は50前後。英語は得意で55まで上がる時もある。
定期テストでは一週間前から勉強していたから、どの科目もいつもクラスで十番以内には入っていた。
高校三年間それなりに勉強はしてきたし、先輩も予備校のチューターも、お前なら一年間頑張ればきっと大丈夫って。
確かに夏以降からは予備校の自習室でそれなりに勉強してきたから、一年頑張れば大丈夫だろう。
そもそも東京医科の問題はマーク式だから、おれに合ってるし。
よし、一年間頑張ろう!
投資家視点
この一年の間、いや、今が三月だから実質は入試まであと十ヶ月ぐらいか。
十ヶ月の間、どうやって勉強をやっていくかを決めるために、まず受験勉強について学んでいこう。
客観視
・・待てよ。そもそも、大丈夫って本当だろうか?
模試の判定を見ると、東京医科に合格の可能性はほとんどない。
そうか今のおれでは志望校合格には程遠いんだな。
まして、医学部ともなると倍率も高いし高卒生も多く受けるよな。
医学部入試と一週間だけ頑張ってそれなりに取れていた定期テストとは違う。
考えてみると、学校でそれなりにっていうのも甘い基準だったな・・。
やばい。考えが甘かった。
おれって本当にダメだな・・。
本質的なところを見る
受験勉強は一日に五時間以上勉強すれば合格するってチューターは言っていたけど、本当だろうか?
そもそも、受験勉強の本質とは何だろうか?
時間だろうか?
時間よりもその密度。つまり内容と質じゃないだろうか?
受験勉強とは・・合格最低点を取るために勉強することか。
じゃあ、東京医科の合格最低点を取るってことだな。
そのゴールまで遠回りせずに、最短最速で進んでいける受験勉強とはどうしたらいいんだろうか?
質を上げるにはどうすればいいんだろうか?
そもそも頑張ろうって何をどう頑張るんだろう?
修正力
これまで受験勉強について思い違い、遠回りをしていたところを改めるぞ。
新しい勉強法に変えていこう。
まずは、これまで難しめの問題をやっていたけど、しっかりと基本的なことからやっていこう。
場合によっては中学生の範囲に戻ってやる。
よし、頑張ろう!
私大医学部受験を例にすると、
正しく4つの秘訣と向き合うと、こういう流れになります。
こう書くとなんてことはないように見えますが、この思考パターンが受験勉強をする際に非常に重要です。
そして仕事をする際にも、本当に結果に大きく影響します。
社会に出る時はこれを思い出してみてくださいね。
講師会名古屋本山校の講師採用時にも、一次試験、二次試験にも、修正力が点数化されています。
ただし、前半でこのテツオ君には一点ダメなところがあります。答えはあとがきを読んでもらえれば分かります。
名古屋講師会にお気軽にご相談ください!
名古屋講師会は、愛知県名古屋市の本山で個別指導塾を運営しています。
難関国公立2次対策、医学部受験対策、難関私大対策の指導をしています。
合格実績から、偏差値が高い生徒のみ入会可能と思われがちですが、
勉強が苦手な生徒の成績を飛躍的に上げたいという思いから設立された塾であり、
偏差値50以下の受験生の指導にも力をいれています。
対面授業はもちろん、オンライン授業も行っております。
お気軽に見学予約や受講システムのご説明をご希望ください。
この記事の監修
名古屋講師会 教務部長浅木真理
大学受験指導歴19年、名古屋講師会創業時より医学部受験、難関大学受験のカリキュラム作成を担当。
数多くの生徒を難関大、医学部に合格させてきた講師会で、学習支援をしてきた受験生とその保護者は1000人超。